小説「三千円の使い方」は本編もあとがきも秀逸

三千円の使い方(中央公論社)
三千円の使い方(中央公論社の公式ページから)

小説「三千円の使い方」(著者:原田ひ香)を読みました。6話のオムニバスからなる小説集で、同じ家族とそこに関わる人たち、それぞれのお金に関する内容です。

若い人から熟年そして、年金世代まで、お金の苦労は尽きぬとも、そこでどう自分の気持ちに折り合いをつけて、今現在の状況でやっていくか、どの話も身近に感じられ、ストーリー展開もすっきりしていて、あっという間に読み終えました。

また、この小説集のおしまいに、垣谷美雨さんが解説を書いておられて、この内容がまた秀逸です。

垣谷美雨さんは、映画「老後の資金がありません」の原作者で、現在同タイトル映画が各地で上映中です。

また、「あなたの人生、片づけます」や「姑の遺品整理は、迷惑です」などのタイトルで分かる通り、アラカン世代の気持ちをぐっと惹きつける作品を多数書いておられます。

その垣谷さんが、この「三千円の使い方」の本編後、わたしが感じたそのままを、すっきりはっきり、解説で述べておられて、さすが!と言う感じ。

本編を読んで満足した後に、おまけでさらに満足できて、2度美味しいとはこのこと(笑)。

「三千円の使い方」の舞台は、東京、23区近辺。この設定も絶妙です。

東京という経済格差が大きい街で、お金持ちは文句なく楽しめるいっぽう、庶民だって無料で楽しめる公共施設もあり、情報を集め堅実な生活を送れる街でもある。

だから、「人は人、自分は自分」と頭でわかっていても、チラチラと目に入る経済格差に、日々葛藤する。

垣谷さんが解説で書いておられるように、他人は他人、自分は自分」なんてことは誰だって耳にタコ(解説文から)だけれども、どうしても他人、それも、自分に近い年代や同姓と比べてしまって、「なんであの人が」という思いはついて回る。

子育て世代のこれから先に対する不安と、またそれとは別に、熟年夫婦が迎える問題や、年金を受け取りつつ、貯金が減っていく不安解法を見つけようと奮闘する70代、幅広い年齢層の方のお金に対する不安に寄り添ってくれる小説集です。

1話が読みやすい長さで、また納得できるオチがついているので、どんどん読んでしまって、またブログの更新ができないところでした(笑)。

垣谷美雨さんの小説もまた読み直してみようかな。

おまけ:今日の猫

地震が怖かった現役猫
深夜大きな地震があって、広島も揺れました。

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