有名作家さんも老後について思うことは同じらしい

老いと収納

「老いと収納」(群ようこ、2017年初版)を読みました。

群ようこさん、1954年生まれ。軽妙な語り口で特に女性に人気のある作家さんです。

2017年にこの本を出版された時の年齢が、63歳。

2016年、住んでいるマンションの大規模改修工事があり、大家さんからベランダにあるものを撤去して掃除をしてくださいとお願いされたのを機に、家内の物のあり方を見直し、片付けに手をつけたというエッセイ集です。

ベランダがあるばかりに、とりあえず貯め込んだもの多数。

不用品を引き取りに来てもらうトラックを手配したものの、家の中からモノを運び出していくうちに本当に全部積載できるのかしら、とその量におののく、とあります。

トラックにぎちぎちに押し込む際、感じのいい業者さんを困らせてはいけない、大家さんに迷惑をかけてはいけないという一心で、どんどんモノを自分も手伝って運び出した。

これが自分一人でやるならおっくうでできなかったかもしれないが、人のためにという動機があればがんばっちゃえるんだね、との感想があり。

そもそも、きちんと自分の生活に向き合って、都度処分していればこんなことにはならなかったのに、という件、そうなんですよ、この生活がずっと続くと思っている間は、不用品の処分はどんどん後回しになる。

なにかの大きなきっかけがないと、手付かずのままになっちゃうんですよねーと読みながらうんうんと頷くことしきりです。

2020年に新型コロナウィルス騒動のおかげで、家庭での過ごし方を見直すきっかけとなって、不用品処分に踏み切られたご家庭多数。あたしもそのうちのひとりですが。

群ようこさんは、この2016年のマンション大規模補修をきっかけに、その後も断捨離に励まれます。

そして、その包み隠さず明らかにされる内容、とくに衣類に関するあたりは、ちょっと耳が痛い(笑)。

自分の体型に合うモノを探すのが大変だから、同じモノを色違いで買う、でも、時が経つとその役割が変わってしまって結局使わないまま処分となるものがどんどん出てくる。

あるなあと思いながら、年々増えていくヒートテックやエアリズムを思い出します。

しかし、群ようこさんは和装を好んでいらっしゃるので、あんまり減らせないだろうなあと思っていたら、やはり、着物や帯については思い切って処分できない様です。むしろ増えている?

洋服はどんどん数を減らしておられるのに、面白いなと思いながら読みました。

我が家にも、姉と私の振袖や訪問着がありますが、これはいかがしたものか。

姉は自分の振袖をお孫ちゃんに譲ってもいいかもしれないけど、私の振袖は譲り受けてくれる人もいそうにないし。

かといって、処分するには忍びないお値段なんですよ

早く決断しないと、遺品として処分する側も迷惑だろうしなぁ。

結局、群ようこさんは、本当の意味での不用品、壊れた電化製品とか、とりあえず使っていないからとベランダへ放置されていたような物は処分されたものの、思い入れのあるものまでは、処分に至らず。

その迷い方が、なんとなくわかるようなわからないような(笑)。

群ようこさんがマンション住まいだから、想像するほどの量はないのかなと思う反面、わたしだったらとりあえず、トランクルームを借りて、たちまち使っていない物はそちらへ移して、いったん物がない暮らしをしてみるかな。

それで、もし、その中でこころのゆとりとして必要と思うものは戻す、トライアンドエラーを試してみたい。

これこそ、人それぞれが持つ基準、性格なんだろうなという読後感でした。

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